大手水産食品の日本水産(東京)は水産品の骨なし

大手水産食品の日本水産(東京)は水産品の骨なし・骨取り魚(切り身および焼き魚などの調理品)の製造・販売に本格的に力を注ぎ、今年度売り上げを前年度から約7割増の50億円に伸ばす。みなと新聞推定で約500億円(メーカー出荷価格)とみられる骨なし・骨取り魚の市場規模。競争は激化するが、新たな活性化につながりそうだ。

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 日本水産の骨取り魚ジャンルの2016年度売り上げ実績は30億円。今年度の計画は切り身だけで30億円。焼き魚などの調理品が20億円の計画だ。大幅な売り上げの伸びは、医療・介護の分野で新たな契約を結ぶ一方、大手コンビニが同社のトップシール商品の導入を決めたことなどによる。

 骨なし、骨取り魚市場は大冷(東京)とマルハニチロ(東京)がこれまでけん引してきた。売り上げはシェアトップの大冷が前期123億円、2位のマルハニチロが60億円(業務冷食のみ、水産関係部門を含めると100億円超)で、この2社で全体の約5割を占める。3位以下はオカフーズ、極洋日本水産で売り上げは30億~40億円で並ぶ。

 日本水産は骨なし、骨取り魚の位置付けができず、市場参入が遅れた。競合他社は高齢化社会の到来を視野に医療食を中心として商品を投入。魚種を増やし、安全・安心、さらに現場の人手不足に対応し簡単においしく調理できる技術を付加してきた。現在、市場は医療、さらに介護、そしてホテルの朝食、量販店やコンビニエンスストアで売り上げを伸ばす惣菜など広がっている。

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 市場は今後も拡大していく見通しだ。中心となっている医療・介護では、対象となる65歳以上の老年人口が増加する。総務省の試算では15年に3346万人だった老年人口は今後増え続け、40年に3856万人に達する。総人口の減少などに伴ってその後減少していくが、老年人口はこの後、20年余り増え続ける。

 ホテル需要も増え続けている。ホテル建設は首都圏や地方都市で今も続く。当面、20年の東京オリンピックまで増える見通し。マルハニチロは、拡大するインバウンド需要に合わせた戦略を展開するが、政府の外国人観光客数の目標は東京オリンピック開催の20年が16年実績比67%増の4000万人、30年が6000万人となっており、この需要も確実に増えていく見通しにある。