月末の金曜日に早めの退社を促し消費喚起につなげる

月末の金曜日に早めの退社を促し消費喚起につなげる「プレミアムフライデー(プレ金)」が28日、2月の導入以来6カ月目を迎える。ただ、飲食店などへの集客効果は一部にとどまり、大きな消費拡大につながっていないのが実情だ。定着に向けては、社員が早期退社しやすい環境づくりなど、企業の一層の努力も求められる。

 「すみませんが満席で…」。前回プレ金の6月30日午後4時、居酒屋「串カツ田中」赤坂店(東京都港区)の店先で5人連れの客に店員が頭を下げた。

 同チェーンは、プレ金に開店時間を午後3時へ繰り上げ「串メニュー100円均一」を展開し客足が増えた。広報担当者は「普段の金曜と比べ、各店の売上高が平均20%多くなっている」と話す。

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 ただ、こうした成功例も一部にすぎない。日本フードサービス協会は「都心ターミナル駅の周辺だけ盛り上がっている」と指摘し、百貨店各社も「鮮明な効果は表われていない」(松屋)という。

 みずほ総合研究所は27日、政府統計を基に2~5月のプレ金当日の実質消費支出を算出し、前年同月の最終金曜日(祝日の場合は木曜日)と比べた。その結果、2月=26.6%増▽3月=13.9%減▽4月=5.0%増▽5月=12.2%増-となった。

 各月とも大きく伸びた項目は、プレ金の影響とは考えにくい自動車購入などで、影響が及びやすい外食、旅行に目立った変化はなかったという。

 宮嶋貴之主任エコノミストは「企業が早期退社を呼び掛けても社員が退社していない。社員のワークシェアリングを通じて仕事が回る仕組み作りなどが必要だ」と話す。中小企業が人手不足でプレ金に対応できないことも課題だ。

 プレ金で効果が出ていないことに関し、日本商工会議所の三村明夫会頭は「運用の仕方も含め、見直す時期に入った」と指摘する。

 三井住友アセットマネジメントの渡辺英茂調査部長は「月末金曜に限らず、企業の事情に応じ、より利用しやすい日程に変更できるようにするなどの対応が必要だ」と提案する。

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 経団連の石塚邦雄副会長は「プレ金も継続することで定着していく」と強調する。野村証券がプレ金に合わせ午後から半日有給休暇を取るよう促したところ、2~6月の最終金曜日の半日有給取得件数が前年同期の約4倍に増えた。こうした例は今後の参考になりそうだ。